Trados Studioで翻訳作業をしていると、原文と訳文を対比する画面構成になっているため、翻訳している文章の文脈がとりづらいときがあります。そのために用意されているTrados Studioの「プレビュー」機能。

この機能では、[表示] ペインの [情報] リボンにある [preview-iconプレビュー] をクリックすると、下の画像のようにTrados Studioのユーザーインターフェース内に元の文書形式で訳文を表示することができます。

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今日の小技は、上記のように訳文をTrados Studioの画面内で確認するのではなく、実際の元の文書形式そのもので表示する方法です。それには、「別名(訳文のみ)で保存」機能を使用します(※)。
※本来は、翻訳が完了したあとで訳文を含む文書を生成するための機能だと思うのですが、わたしは翻訳途中で訳文を確認するときにも、比較的頻繁にこの機能を使って訳文の最終形態を確認しています。

手順は、次のようになります。

  1. 作業内容を [エディタ] 画面で保存します。
  2. [エディタ] で翻訳対象ファイルを開いた状態で、[ファイル] > [別名(訳文のみ)で保存] をクリックします。
  3. プロジェクトファイルがあるフォルダの訳文フォルダ(訳文が日本語の場合は「ja-JP」フォルダ)に保存された訳文ファイルを開きます。
  4. 原文と同じ文書の表示形式で訳文を確認します。

例えば、こんなパワーポイント資料があったとします。

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このファイルをTrados Studioで読み込み、翻訳したあとで、「別名(訳文のみ)で保存」すると、次のように実際にパワーポイントとして訳文を開くことができます。
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若干、訳文がパワーポイント内に収まっていないところがありますが、きちんとパワーポイントとして表示できています。

この方法のよいところは、訳文を実際の文書を直接作成するのと同じ操作で確認できるところです。大きい画面で確認できますし、ページ数が多いときなどは、Trados Studioの画面内ではなく、実際の最終文書を確認したほうが、ページのスクロールや拡大/縮小なども簡単にできます。

ちなみに、この機能は、翻訳対象のファイル形式がTrados Studioで対応しているファイルであれば使用できます。Trados Studioで対応しているファイルの種類は、[ホーム] > [プロジェクトの設定] > [ファイルの種類] で確認できます。
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Trados Studio 2015では、Word、Excel、HTMLファイルでもこの機能が使えることがわかります。また、上記の一覧にあっても、Trados StudioのSDL XLIFF形式のみで提供されているような場合(原文がバイリンガルファイルのみ提供されている場合)などは、この「別名(訳文のみ)で保存」機能は使用できません。

そのときは、仕方ないので、想像力を駆使してTrados Studioのユーザーインターフェース内で最終的な文書形式を想定して文脈を読むことになります。Trados Studioのユーザーインターフェースでは、画像や段落、改行などの情報を除いた原文と訳文の対比画面のみになるため、文脈を読むことが難しくなり、Trados Studioでの翻訳に限界がある要因のひとつになると考えられます。

そういう意味で、訳文でも元の文書の表示形式で確認できるような形態で翻訳対象ファイルが提供されることは、翻訳の質を高めることにつながるような気がします。

追記1: この記事を書くのに、今回プレビュー機能を久しぶりに確認したのですが、その表示がきれいなことに驚きました。昔はもう少し表示が簡素だったような気がしたのですが。。(そのときはHTMLファイルだったので、スタイルシートが読み込めずに表示が簡素だったのかも?)PPTの場合は、プレビュー機能で十分な気もしました(ここまで書いておいて…)。

追記2: この記事を書いた後で、プレビュー機能ってこんなに綺麗に表示されたっけ…と思い、プレビュー機能について検索していたら、他の翻訳者さんのこちらのブログ記事でTrados Studio内に直接、訳文のパワーポイントを開く機能が用意されていることを知りました。。今回の例では、[エディタ] でファイルを開いた状態で、[ファイル] > [印刷 & 表示] > [表示] > [訳文のMicrosoft PowerPoint] から パワーポイントを開くことができました。。これからはこの機能を使用しようと思います。。ツールって奥深いですね(汗)%e5%8d%b0%e5%88%b7%ef%bc%86%e8%a1%a8%e7%a4%ba

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